大学で公共事業について勉強していたとき、人員不足を補うためには外国人労働者を一層受け入れていく必要性があることを考えたことがあった。その理由として、それまでに、外国人労働者らが晒されている境遇について幾つか耳にしていたから、「外国人労働者が今よりも多く日本に入ってくることとなれば、日本も彼らを無視は出来ないだろう。」と、考えさせられた部分もある。
とはいえ、これまでに得て来た情報を鑑みるに、「日本って、変な国。北朝鮮のことを、到底笑うことが出来るような国ではないのでは?」という疑問も得ることが出来るようになっている。
◇
先日に放送された『経済最前線』において、中国の市場における、外資の株式売買規制についてのリポートが扱われていた。そのリポートに先立ち、日本の市場に中国の若手企業が上場する取り組みを東証が行っていることを聞いていたから、そのリポートに目を通すに、複雑な気持ちになった。
というのは、中国当局として、すぐさまに外資が中国の株式を席巻するとなれば、その富の恩恵は中国国民に還元されないばかりか、その恩恵意識の乏しさを意識することになった中国国民らにより、中国の株式市場の崩壊が齎されることを可能な限りにおいて回避する目論見があることが見て取れたからである。
つまり、外資が株式売買に参加する機会を広げるには、中国国民らにおいて、「外資を市場により参加させれば、更に恩恵を得られる」という意識を高めることが前提になるわけである。そして、目下においては、そこまでの意識改革を達成することが出来ていないということ。
故に、アメリカのポールソン財務長官が、外資の株式売買の規模を拡げるように進言しているけれども、私は門外漢の一人に過ぎないから、それがその意識改革を進める上での(中国を配慮した)一手なのか、それともアメリカだけの都合による一手なのか、よく分からない。
もちろん、グローバル経済の中、アメリカは中国を重視する姿勢を示して来ているから、アメリカだけの都合で動いているとは考えにくい。そして恐らくは、中国当局も、そうしたことは分かった上でのことと推測される。
そしてそれだけに、何故、日本の市場に中国の若手企業が上場する取り組みを東証が行っているのか、分かったような気がした。そのため、複雑な気持ちになったわけである。そしてそれは、その後日に『株式ワイド クロージングベル』で日本の市場における海外勢への規制について幾ばかりか知るにつけ、補強されることになった。
日本の市場に上場するためには、日本語の書類を提出することが前提になるらしい。そして、小難しいことは分からないのだけれども、日本の市場においても、国際的には認められていない規制が一部としてあるらしい。つまり、海外の企業が上場するとなれば、それらの案件をクリアしなければならないわけである。
そして、刻々と変化する経済において、そうした手間を必要とする日本の市場が敬遠されるだろうことは、想像に難くない。つまりその実質として、システム上、日本は海外勢の市場参入を制限しているわけである。果たして、それは一体どのような目論見に則っているのか。
単純に考えれば、“グローバル経済の主軸を変位させて行く上で招かれる動態による影響を、可能な限りにおいて制限しよう”としており、尚且つ、日本なりに現行のシステムに則る形ではあれ、海外勢の市場参加を増加させようとしているわけである。もちろん、アメリカと中国の将来的な関係に配慮した面もないとは言い切れないけれど、「そうしたことだろうか?」と思う。
◇
しかし、そうして制限する場合、当然、日本において資金の流入は滞り、経済は停滞を見せるわけだから、その停滞状態から移行するためには、外的な要因が更に変化することが前提となるはず。同時に、そうした変化に対応可能な内的要因も得るに至っていなければ、一時的には外的要因により凌げたとしても、中・長期的には、逆に失墜して行くことを免れないだろう。
だから、ここ数日において、外国人労働者を巡って政治的に言及されていることは、多くの外国人労働者を受け入れている他の先進諸国らの例を見ても、分からないではない。制限する目論見が“グローバル経済の主軸を〜制限しよう”ということにあるのであれば、尚更。
というのも、仮に、“グローバル経済の主軸を〜制限しよう”とするのであれば、今以上に資金の流入を妨げる要因となるカントリーリスクの増加を防がなければならないから。右派と左派の双方の対立による政治的な混乱は、出来るだけ小さくしたいだろう日本において、より堅実な手順を求めるのは事実だろう。
かといって、そうした状況下において、そのより堅実な手順を、一体どれほど現実のものとすることが出来るのか。安倍首相の自衛隊の人たちへの言葉を考えると、この先として逼迫した状況に晒されることもあることを覚悟しておかないといけないということなのだろうか。
それと並行することとして、日本の人たちにおける生涯教育の必要性は分かるけれど、一部の人たちであれば兎も角、全ての人となると、それだけの環境を整えるというのは、非現実的なことのように思えて仕方ない。
かといって、他に方法があるとも思えない。私自身、再教育の機会を得ることが出来るのであれば、やっぱり欲しいから。
------------------------
外国人労働者 新制度具体化を (NHKオンライン 2007年5月17日 17時51分) 自民党の高村元外務大臣は、さきに長勢法務大臣が、外国人労働者を幅広い業種で受け入れる新たな制度の創設を検討する考えを示したことについて、政府全体で制度の具体化を急ぐべきだという考えを示しました。
長勢法務大臣は、さきに、国内で必要な労働力を確保する観点から、日本の技術を学んでもらう「外国人研修・実習制度」を抜本的に見直して、外国人労働者を幅広い業種で受け入れる、新たな制度の創設を検討する考えを示しました。
これについて、高村元外務大臣は高村派の例会で、「外国人研修・実習制度は、建て 前は海外への技能移転を目的にしているが、実際には国内の労働力不足を補うことに使われており、本音と建て前にはかなりの落差がある」と指摘しました。
そのうえで、高村氏は「労働力不足に対応するという面を取り入れた新たな制度の創設は、治安をはじめとした社会的な問題とのかかわりもあるので、どうしたらバランスのよいものになるか、政府全体でスピード感をもって制度設計をしてもらいたい」と述べ、制度の具体化を急ぐべきだという考えを示しました。
------------------------
“外国人単純労働者 慎重に” (NHKオンライン 2007年5月17日 17時51分) 柳沢厚生労働大臣は参議院厚生労働委員会で、さきに長勢法務大臣が外国人労働者を幅広い業種で受け入れる新たな制度の創設を検討する考えを示したことについて、外国人の単純労働者を受け入れた場合、若者や女性の雇用の機会が妨げられるなどとして、慎重に検討すべきだという考えを強調しました。
長勢法務大臣は、さきに国内で必要な労働力を確保する観点から、日本の技術を学んでもらう「外国人研修・実習制度」を抜本的に見直し、外国人労働者を幅広い業種で受け入れる新たな制度の創設を検討する考えを示しました。
これについて、柳沢厚生労働大臣は、17日の参議院厚生労働委員会で「長勢大臣がみずからの考えを示したと理解しており、今後の法務省内での協議を見守りたい」と述べました。
そのうえで柳沢大臣は「外国人の単純労働者を受け入れるのであれば、若者や女性の雇用機会が妨げられるし、低賃金の分野が温存され産業構造の高度化が阻害される。こうした観点から、単純労働者の受け入れにはきわめて慎重な検討が必要だと考える」と述べました。
------------------------
外国人研修生に労基法適用を (NHKオンライン 2007年5月11日 17時12分) 外国人が日本の技術を学ぶ研修・実習制度が安い労働力を確保する手段として悪用されている問題で、研修生にも労働基準法などを適用して最低賃金を保障するといった制度の見直しが必要だとする研究会の提言がまとまり、厚生労働省は必要な法律改正を目指すことにしています。
この制度で、3年間の滞在期間のうち研修生として働く初めの1年間は、労働者としての権利が認められずに最低賃金以下に抑えられた外国人が多い実態を受け、厚生労働省の研究会が制度の見直しを検討してきました。
提言によりますと、外国人の研修生にも労働基準法などを適用し、最低賃金を保障することが必要だとしています。また、3年間の滞在期間を終えても、高度な技術を学ぶケースに限って、再び日本に来ての2年間の実習を認めるよう提言しています。
厚生労働省は、関係する省庁などと調整を進め、必要な法律改正を目指すことにしています。
外国人の労働問題に詳しい青山学院大学の手塚和彰教授は「現状を考えると評価できる提言だが、日本がそもそも外国人の単純労働を受け入れるのかどうか根本的な議論がなく、今後、こうした議論もしたうえで、制度全体の見直しについて国としての結論を出すようにしてほしい」と話しています。